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中古車営業が押さえるべきファイナンス提案術

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中古車営業において、ローンやファイナンス商品は成約率を大きく左右する重要な提案要素。お客様のライフスタイルや資金計画に合ったプランを的確に提示できるかどうかが、信頼獲得と売上アップの鍵となります。

ここでは、クレジット(分割払い)、リース契約、残価設定ローンといった代表的なファイナンス商品の特徴を押さえたうえで、初期費用を抑えたい法人・個人、定期的に車両を入れ替えたいユーザー、返却後に買い替えを想定する層など顧客ニーズ別の使い分け方法を解説します。

ファイナンス商品の概要

クレジット(分割払い)の仕組み

クレジット契約は、お客様が車両本体価格の全額を一度に支払うのではなく、所定の回数に分けて月々返済していただく方式です。契約時には頭金やボーナス併用払いの有無、返済回数をお客様と相談しながら決定します。

販売店は信販会社と提携し、審査から契約までを店頭で完結できるため、お客様は手軽に手続きに進めます。審査では年収や勤続年数、信用情報がチェックされ、承認が得られると契約成立となります。

月々の返済額は金利と分割手数料を含めた総額を元に算出され、お客様の負担感を軽減しつつも、販売店は金利収入や手数料収入を得ることができます。

リース契約の特徴

リース契約は車両を“借りる”イメージに近く、契約期間中のお客様は月額利用料を支払うことで車両を使用します。リース料には車両本体の減価分に加えて、税金・保険料・整備費用などのメンテナンスコストをパッケージしたプランも多く、故障や定期点検に関する手間を省ける点が魅力です。

法人のお客様には会計処理上「支払リース料」として経費計上できるメリットがあり、キャッシュフローを安定化させたい個人事業主にも適しています。

一方で、走行距離の制限や返却時の原状回復義務があるため、過度なカスタマイズや過走行に対するペナルティ条項を事前に確認し、トラブルを未然に防ぐことが重要です。

残価設定ローン(バリュー型ローン)のメリット・デメリット

残価設定ローンは契約時に将来の車両下取り価格(残価)をあらかじめ設定し、その金額を除いた部分をローンとして返済する方式です。メリットとしては、月々の返済額を抑えられるため、よりグレードの高い車両を提案しやすくなる点があります。

また、返済期間終了時に「残価一括支払」「再ローン」「返却」の三択をお客様に提供でき、ライフスタイルの変化に合わせた柔軟な利用が可能です。

デメリットは、設定残価と実際の車両市場価格に乖離が生じた場合に追加精算が必要になるリスクや、走行距離超過やキズ・へこみによる査定減額が発生しやすい点です。そのため、契約前に残価算出根拠や走行制限、返却時評価基準をしっかり説明し、お客様に安心してご利用いただけるようフォローすることが求められます。

顧客ニーズ別の使い分け

初期費用を抑えたい法人/個人

初期費用を可能な限り抑えたいお客様には、頭金不要あるいは低額頭金で契約できるリースや残価設定ローンが有効です。リース契約では車両本体価格に加え、税金や整備費用を月額に含められるため、契約時のまとまった現金支出を大幅に軽減できます。

残価設定ローンでも頭金を抑えれば月々のキャッシュアウトを抑制し、そのぶん事業資金や生活資金に回せるため、資金繰りに余裕を持ちたい法人や個人事業主にも魅力的な提案となります。

ただし、月額負担を軽減する代わりに返却時の精算リスクがあることを正しく伝え、お客様にリスクとバランスを理解してもらったうえで最適なプランを選んでいただくことが成約の鍵です。

定期的に車両を入れ替えたいユーザー

新しいモデルに定期的に乗り換えたいお客様には、リース契約が最適です。リースでは契約終了後に返却するだけで次の車両に移行できるため、下取り手続きや売却相場を気にせずに常に最新モデルを利用できます。

また、整備費用や税金をパッケージで管理できるプランを用意すれば、車両入れ替えの際の手間がさらに軽減され、日常業務やライフスタイルに集中していただけます。残価設定ローンでも返却オプションを活用すれば同様のサイクルを組めますが、返却時の精算や再ローン手続きが発生する点はリースと比較した際の注意点となります。

返却後の買い替えを想定する層

将来的に確実に買い替えを予定しているお客様には、残価設定ローンで残価を据え置きつつ返済額を抑え、契約終了時に残価を一括支払いせずに再ローンで新たな車両を購入する提案が効果的です。この方法なら、月々の負担を軽減しながら、お客様のキャッシュフローを安定させつつ、買い替え計画に合わせた資金スケジュールを組むことができます。

再ローンの際には、前契約の残価精算額を新規ローンに組み込み、一本化することで手続きを簡便化できる点もメリットです。提案時には残価再設定の条件や再ローン金利に関する説明を丁寧に行い、お客様の安心感を高めましょう。

提案フローとクロージング

ヒアリング:ライフプランと資金計画

提案の第一歩は、お客様のライフプランや資金計画をしっかり把握することです。まずは仕事や家族構成、将来のライフイベントをお伺いし、車両利用頻度や利用期間、毎月の予算感を具体的に引き出します。

法人の場合は業務用途や車両稼働率、リース期間終了後の買い替え計画などを確認し、キャッシュフローに与える影響をシミュレーションします。

個人の場合は住宅ローンや教育費など他の負担とのバランスを考えながら、月々の返済額やリース料を設定します。この段階でしっかりしたヒアリングを行うことで、不安なく契約に進んでいただく土台を築けます。

シミュレーションツール活用法

資金計画の理解を促進するには、シミュレーションツールの活用が不可欠です。お客様の条件を入力するだけで月々の返済額やリース料、残価設定ローンの精算額を可視化できるツールを使い、複数プランを比較しながら説明します。画面共有や紙資料を使って、異なる返済回数や頭金設定、走行距離制限の有無による総支払額の変化をグラフや表で示すと、お客様の納得度が高まります。

また、シミュレーション結果をその場でプリントアウトし、見積書としてお渡しすることで、検討材料として持ち帰っていただきやすくなります。

金利・手数料の説明ポイント

金利や手数料はお客様が最も注意するポイントです。公表金利だけでなく、事務手数料や保証料を含めた「実質負担率」を示し、公平かつ透明に説明します。例えば、信販ローンと銀行ローン、自社ローンを同一条件で比較し、金利、事務手数料、保証料を加味した総支払額を「同等条件シミュレーション」として示すと、お客様の理解が深まります。

また、繰上返済の可否やペナルティ有無、残価精算時の追加請求リスクなども事前に触れ、契約後のトラブルを未然に防ぐ配慮を見せることで、信頼感を醸成できます。

比較表提示のテンプレート

提案時には、複数プランを横並びで比較できる表を用意します。表には「プラン名」「月額支払額」「総支払額」「頭金」「走行距離制限」「返却条件」など、検討に必要な要素をカラムとして設置します。これにより、お客様が一目で各プランの特徴を把握でき、検討項目の抜け漏れを防げます。

提案後には比較表に押印欄を設け、そのまま契約書に転用できるフォーマットにすることで、クロージング率を高める工夫を行いましょう。

トラブルを防ぐ注意点

過剰与信のリスク管理

お客様に安心してローンやリースを利用いただくためには、過剰与信を避ける姿勢が重要です。お客様の年収や他の借入状況、将来のライフイベントを総合的に勘案し、無理のない返済計画を提案します。販売店側もこれを怠ると、お客様の延滞や途中解約リスクを背負うことになりますので、自社の与信基準を設け、審査通過後も返済能力に関するフォローアップを行う体制を整備しましょう。

契約書面で必ず押さえる要件

契約書面には、金利や手数料、返済回数、繰上返済ルール、残価設定条件、走行距離制限、原状回復義務など、重要事項を漏れなく明示し、お客様に説明した証拠として署名・押印をいただきます。

特に残価設定ローンやリースでは返却時の精算条件が複雑となるため、違約金条項や追加請求リスクに関する記載をわかりやすく示し、後日のトラブルを未然に防ぐことが肝要です。

アフターフォローと延滞時対応

契約成立後も定期的にお客様とのコミュニケーションを図り、ローン返済やリース料の支払い状況を把握します。延滞が発生しそうな場合は早期に連絡し、返済プランの見直しや一時的な猶予措置を提案することで、お客様との信頼関係を維持できます。

また、修理や点検のタイミングでリース契約内容を再確認し、次回更新時の乗り換え提案などを行うと、継続的な取引機会を創出できるでしょう。

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